抗毒素製剤の高品質化、
及抗毒素製剤を用いた
治療体制に資する研究

⾎清療法とは

人物紹介

北里柴三郎博士の写真

※写真転載禁止
※写真提供 学校法人北里研究所

北里柴三郎

「日本近代医学の父」と呼ばれる北里柴三郎博士。その最も大きな業績は、世界初の破傷風菌の純粋培養でしょう。博士は、この偉業をドイツに留学後わずか3年目に成し遂げています。しかし、実験は苦難の連続でした。当時、ドイツでは「破傷風菌の純粋培養は不可能である」というのが定説だったのです。

北里はちょっとしたことをヒントに、破傷風菌が酸素を嫌う「嫌気性菌」であることを見抜いたのでした。

さっそく北里は酸素を排除できる細菌培養装置を自作し、ついに1889年、破傷風菌の純粋培養に成功しました。さらに、その翌年には 破傷風の血清療法を考案しました。 その後、北里の血清療法はジフテリア治療にも応用され、多くの人命を救いました。

北里柴三郎博士の写真

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血清療法とは、人工的に作られたポリクローナル抗体(ヒト、他の動物)を含む血清(抗毒素・抗血清とも呼ばれる)を投与して治療することと定義されています。(※1)
その歴史は、1890年に北里柴三郎とエミール・ベーリングが連名で執筆した論文「動物におけるジフテリアと破傷風の血清療法について」において、血清療法の発見を発表したことにより始まります。(※2)

その功績によって1901年に第1回ノーベル医学・生理学賞をベーリングのみが単独で受賞しましたが、北里も血清療法の礎を築いたことは言うまでもありません。

※1 Park WH. Serum therapy. Bull N Y Acad Med 1931;7:401-11. ※2 von Behring E, Kitasato S. Ueber das Zustandekommender Diphtherie-Immunität und der Tetanus-Immunitätbei Thieren. Deutsche Medicininischen ochenschrift1890;49:1113-4.

血清療法の歴史

  • 1. 血清療法は、1889年の北里柴三郎先生の破傷風菌の培養から始まります。
  • 2 1901年、ベーリング氏が第1回ノーベル医学生理学賞受賞(研究は北里先生と共同で行われていました)。
  • 3. 現在日本では、国有品、市販品、臨床研究の3つの枠組みで臨床使用可能です。
  • 4. エボラ出血熱、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などでもその効果が検討されています。
  • 5. 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などでもその効果が検討されています。

血清の製造過程

血清(抗毒素・抗血清)はどのようにしてできるのか?

現在、本邦で抗毒素・抗血清が製造可能な施設はKMB(旧:一般財団法人化学及血清療法研究所:熊本)のみです。ウマ血清の場合には、端的にはウマに免疫を行い、血液を採取して、得られた血清または血漿よりウマ免疫グロブリンを精製した後、バイアルに充填し製剤化します。

ウマ抗毒素製剤の製造工程のイメージ画像