抗毒素製剤の高品質化、及び抗毒素製剤を用いた治療体制に資する研究 [AMED阿戸班]

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2020.03.01

血清療法全般についてわかりやすく解説しました。

日集中医誌 2018;25-235-42.

血清療法全般について医学論文の形で公表しています

要約:血清療法とは,人工的に作られたポリクローナル抗体(ヒト,他の動物)を含む血清(抗 毒素・抗血清とも呼ばれる)を投与して治療することと定義されている。その歴史は,1890 年 に北里柴三郎とエミール・ベーリングが,ジフテリアと破傷風の血清療法の発見を発表した ことにより始まる。現在,本邦には国有品として,ガス壊疽抗毒素,ジフテリア抗毒素,ボ ツリヌス抗毒素があり,保険承認薬で通常医療機関ですぐに使用できるものとしてマムシ抗 毒素,ハブ抗毒素,破傷風ヒト免疫グロブリンなどがある。さらに未承認薬で臨床研究とし て使用可能なものにヤマカガシ抗毒素,セアカゴケグモ抗毒素がある。本邦の代表的な救急・ 集中治療領域でのテキストで血清療法としてまとめて掲載しているものは存在しない。本稿 では,実際の血清療法を患者に行うにあたって,どのようにすればよいのか? 注意は何か? について集中治療医にわかりやすい内容を提供する。