抗毒素製剤の高品質化、及び抗毒素製剤を用いた
治療体制に資する研究 [AMED阿戸班]

有毒海洋生物

disease sealife

 地球温暖化の影響で、有毒海洋生物と人間との関わりが増えてきており、日本でも世界でも、医師が臨床現場で有毒海洋生物の咬刺傷症例に遭遇する機会が増えてきている。フロリダとオーストラリア東部での年間発生件数は、約10万件となっている。有毒海洋生物に関するこれまでの臨床報告には、ブラジル南東部でのカツオノエボシや、人間にとって最も危険なアンボイナガイによる負傷者と死亡者の報告もある。しかしながら、有毒海洋生物の臨床的特徴に関する総説はほとんどなく、根治的な治療法である抗毒素についても、包括的なレビューはない。
 このサイトでは、ハブクラゲ、オニダルマオコゼ、カツオノエボシ、アンボイナガイ、ヒョウモンダコによる咬刺傷の詳細と、その疫学、毒物活性、臨床症状、診断、治療について紹介する。また、臨床使用可能な抗毒素治療の包括的なレビューも併せて紹介する。
 有毒海洋生物については、これまで大規模な疫学研究が行われていないため、継続したデータ取集が続けられているものの、大幅に不足している状況である。将来的には、間違いなく有毒海洋生物の咬刺傷症例が増えることが予想されるため、診断と対応には注意が必要である。

参考文献
Hifumi T, et al. SN Comprehensive Clinical Medicine (2020) 2:2288–2292